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インターネットで何ができる?

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後期クイーン問題なんてタイトルで書くと

もし、検索に引っかかったら迷惑だよなあと思いつつ、検索で引っかかるほど人気ないからかまへんとも思う。

ミステリ、本格ミステリ、探偵、は「事実」を扱う。

「事実」とは何か、ということである。

哲学は「事実」、「真理」ということの「確かさ」を求めていた。
探偵も「真理」を追求する。
そうである以上、真理(の因果関係)を突き詰めれば、ヒュームの懐疑論に陥るのは、定められた運命であった。

デカルトは「我思う故に我あり」と言った。
客体はともかく、主観があるのは確かなのだと。
しかし、この時点では客体は保証されていない。
常にそれは夢、もしくは「悪魔の<操り>」にあるのではないか、という「疑い」からは逃れられない。
デカルトは神の存在証明を行い、認識の「誠実さ」を保証する。


話がズレたが、
探偵が提出する「事実(推理)」が正しい、ということを保証するものはない、という当たり前といえば当たり前の話である。
ミステリにはお約束というものがある。今更だから繰り返さないが、医者は嘘つかないといったようなものですね。
この時点で、推理小説が現実のものではなく、「ゲーム」ということが明らかである。
現実では医者だって嘘をつくし、間違いもする。
しかし、推理小説では推定死亡時刻は基本的に間違えない(死亡推定時刻が推理の根幹になるような作品が最近人気なのかどうかは知りませんが・・)。

しかし、その「ゲームの規則」は「誰の『ため』」のものなのか。
それは「読者のため」である。作中内のキャラクターのためのものではない。

厳密にはゲームの規則が作中内のキャラクターに影響は及ぼすが、それは結果論的なものであり、ゲームの規則というものが制定された原因は「読者のため」である。

推理小説は「読者のために仮構されたフィクション」である。

仮構(フィクショナライズ)されたフィクション。ややこしい。

飯城勇三氏は推理小説囲碁や将棋にたとえ、探偵対犯人の「対人ゲーム」にたとえた。
お察しの通りここで『うみねこのなく頃に』の話が出てくるが、
戦人は繰り返し「チェス盤をひっくり返す」と言い、推理をチェスにたとえていた。まったく同じ思考があることが分かる。

しかし、我々は、「探偵対犯人」の将棋やチェスの棋譜を眺めているのだろうか。
そうではない。そこにあるのは「読者対作者」の「推理ゲーム」にほかならない。
なぜなら、ゲームのルールは「読者のために」制定されているからである。


なんだか屁理屈を言われた気になったのではないだろうか。
先に結論を設定しておき、後から原因を確定したような・・。


うみねこでは、戦人とベアトがメタ空間のようなところで推理合戦を繰り広げる。
その際、戦人は作中で起こる記述を確定させるために「赤い文字」をベアトに使わせる。
作中では「偽の証拠」問題まで扱っていたかどうかは覚えてないのだが、ともかく「嘘」ではないという記述である。
うみねこではテクストが本当のことを語っているのか、ファンタジーなのかが判別がつかない。
そのために戦人の推理が外れてしまう。
それを避けるための処置である。

このメタ空間での推理合戦こそが、推理小説を読む上で起こっていることであり、すなわち読者対作者のゲームです。
うみねこでのフィジカルな戦人は、当然自分が「ミステリのキャラクター」だとは思っていない。これは「確信」です。
そのために、自分たちに「推理小説のルール」なんてものがあるとは思っていない。



原因は分かった。解決は?
ミステリには先ほど言ったようにルールがある。
医者が嘘つかないようになっているのは、探偵がそれを「確認」するのが困難だからです。現実的には。だから、ルールを設ける。

なら、探偵が犯人の偽の証拠を「確認」するのが困難なら、医者の件と同じように「なし」にしてしまうほかはありません。

なんだか納得いかないと思うかもしれません。
医者は中立っぽいから、いいけど、犯人の行動をそれほど制限しなくちゃいけないなんて、なんだかハンデルールみたいじゃないか。と。

しかし、実際にそうなのです。
犯人は空気を読んで、めちゃくちゃに偽の証拠を残しまくることはしません。
そもそもそんなでは話になりません。

我々はつい、「探偵対犯人」という構図を持ち出しますが、どちらも「作者が書いていること」です。
つまり、犯人の謎めいた殺害方法は作者が考えた問題だし、探偵の推理は作者が考えた回答です。
どちらも作者です。
そして、それを読むのは読者です。読者は問題を読み、回答を読み、なるほど、と思う。
推理小説はそのために作られた、仮構/加工されたフィクションなのです。


こんなヒドいドヤ顔オチだとは誰も思うまい・・。