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インターネットで何ができる?

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新海誠と美少女ゲーム

新海誠が特集される時は、まずもって美少女ゲームOPの仕事は抹消されている。

 

という言いたかったことを書いてしまうと書くことがないように思えるがつらつらと続ける。

 

美少女ゲームについて語りたいのを新海誠にかこつけて語ってるだけに思えるが気にしてはいけない。

 

石田衣良氏の年頭所感 「新海誠氏と宮崎駿氏の違いは」│NEWSポストセブン

上の記事が話題だ。多くは否定的な意見が(所詮匿名だが)出されたが、俺はそれほど間違ったことは言っていないと思うし、むしろ語り口が増えてさすがだと思った。

「恋愛したことがない人の恋愛小説」というのは、これはもちろん作家論的な意味ですが、当たっていて、それが美少女ゲーム性でもあるのです。

たとえば「秒速」では、確かに中学時代にキスをするが、高校時代は「ほしのこえ」からの引用と同じく、届くあてのない小説を書くだけで、島っ子のラブアタックラノベ主人公ばりに無視。

社会人では一応付き合っていたようだが、無内容であり、「恋愛」と呼べるものではない。

石田衣良が秒速やほしのこえを見ていたのかどうかは分からないが、君の名は。だけであのような分析が出来るのであれば、その鑑賞眼は鋭い。

 

一方で、その彼女の方は結婚してるわけです。意味ありげに挿入される「ハルキゲニア」やトルーマン・カポーティの文庫本など、明らかにこれは「村上春樹」の世界です。

彼女の方は、(通俗)「村上春樹」的な世界にいて、主人公は美少女ゲーム的な無能感に苛まれている。

 

新海誠作品には、言うまでもなく、このようにいわゆるオタクからのリア充への羨望という眼差しがあります。

それは逆説的に、新海誠がインタビューで答えていたのですが、インタビュアーに村上春樹のように中年の危機はあるか、と聞かれ、いや全く無い、と答えていました。これはリア充側にいないからこそ、そもそも中年の危機のような「セックスアピールの衰え」を感じる必要がないのです。

 

「恋愛したことがない」というと語弊があるかもしれないが、「恋愛体質ではない」というふうに言えば分かりやすいのではないか。

 

美少女ゲームというのは、言うまでもないですが、オタクの趣味です。まあその中でも非常に世間ウケが悪いことは明らかです。そのOPを作ったところで、ウケていたのはごく限られた界隈で、エロゲーマーに驚かれていたというわけで、あの時代何人が彼の名を知っていたのか。もちろん、ほしのこえもすぐ作っていたが。

 

新海誠東宝から「気持ち悪い」といって切り捨てられていった要素は、そういうものです。しかし、もちろんすべては消せないので石田衣良にはそういう要素が見えたのでしょう。

 

困ったのは、「評論家様」たちです。

美少女ゲームなど一本もやったことないだろう人たち(やってたらスマン)が、この君の名は。を前にして右往左往の七転八倒を繰り広げる様は面白かったですね。

典型的なリア充向け番組だと俺は思うのだが、系某番組関係者からははっきりと否定的な意見が出たりしたのは、むしろ素直だと思いましたね。

NHKは困った末に「なぜ売れたのか」という意味のない分析を延々と続ける始末。これこそが、典型的な「バブル→業績→モーレツオヤジ世代」的価値観に染まりきったことなのですが。

いい作品が、当然の結果としていい興行収入を上げた。ではなく、

いい興行収入を上げた→だからこれはいい作品だ

という価値観の転倒。拝金主義。

これこそが、あなた方が陥った閉塞状況を生み出したのですよ、などと言ってもNHKには分かるはずがありませんが。

 

こういう作品がヒットすると、必ず「世間がオタク化している」とか言うのも典型ですね。ほかのヤンキー系コンテンツがヒットしても「世間がヤンキー化してる」とは言わない癖に。

つまり、「よそのものが目障りだ」という分かりやすい拒否反応なわけですが、漫画の実写化映画に泣きついてる「世間代表()」に言われても困るな、というのが正直なところですが。

 

まあでも総体的に言いたいのは、こっちはこっちで勝手にやってるんだから、勝手に興行収入ボロ負けしたからってやっかまないで欲しいということですね。

あなたがたのリア充だかなんだか分からないが、そういう文化がぱっとしなくて、オタク系文化が売れるからと言って、こっちに怒られても困るなあ、というのが正直なところ。

 

なんだか随分エントリの趣旨がズレてしまって申し訳ない。

美少女ゲームにあったそういうロマンチシズムを新海誠作品は持っているということです。