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誠実さのない政府

家計調査(二人以上の世帯)平成29年(2017年)3月分速報

((現時点)統計局ホームページ/家計調査報告(二人以上の世帯)―平成29年(2017年)3月分速報―

【二人以上の世帯】消費支出(実質)

2017年3月:マイナス1.3(前年同月比)、マイナス2.0(前月比)

 

 

どうやら政府の頭の中ではマイナスになっていることが「回復」らしい。

つまり、財布から金が出ていくことを「金が増えている」と言っているに等しいのであり、これは全く誠実さを欠いている。

たとえるなら、飛行機が事故。水平から下降しており、地面に向かっている!

そんな時、機長はこう言う。

「え~飛行機は現在回復しております」

事実は、下降速度が300から200になっただけだというのに。

実際には下降しているのに、「回復している」という表現は間違っている。

 

別のたとえを使うなら

「現在出血中です!!」患者の出血が止まらない。しかし、オペ担当医師は看護師にこう言う。

「いや、回復してるから。全然」

「してねえよ。止まってないよ。」

つまり、これは「回復」という言葉を「増加」「上昇」という意味で使っているのではない。しかし、そんなことは、単なる屁理屈であり、そこが「誠実さを欠いている」点なのである。池上彰さんの言う「霞ヶ関文学」というやつなのだろうが、こんなものは<文学>などではなく、臆病者の誤魔化し表現だ。

 

たとえば、何かの企業で、不良品が100コの内5コだったのが、20個になってしまったとしよう。取引先のAに

A「おいおい。一体どうしたんだよ」と言われたが、担当者Bは

B「次は良くしておきます」と答える。

次の納品では、不良品が20個から25個になったとしよう。

A「てめえ何してやがる。不良品増えてるじゃねえか」

B「いや、前々回は良品率が95から80で、マイナス15%だったけど、今回は80から75でマイナス6.25%でしたから。良くなりました。回復しました。というか『緩やかな回復基調が続いてい』ます。だって政府が景気の時にそういう風に書いていましたから私は間違って……あれ?どこ行くんですか?……」

Bさんは取引先を失った。

 

つまり、これは言葉の濫用なのである。

もし、「回復」という言葉が、このような「マイナスに向かう速度(パーセンテージ)の減少」という意味でしか使えないなら、使うべきではない。

そのような時は、消費の状況を表現する言葉は、

「上昇」か「下降」

の2つである。そうでなければ、飛行機や医療、または工場といった厳密さが求められる現場で、言葉というものが機能しなくなる。

飛行機が「直った」「回復した」といったのに、事実はそうでなかったら。

医者が、体は「治った」「回復した」と言ったのに、実際にはそうでなかったら。

それはヒドいことになる。

だから言葉は「正確」でなければならない。

だが、政府が率先してそのような「正確」な言葉を使わず、それでいて恬として恥じないでいては、非常に危険なことになるだろう。

実際には出血が止まらないのに、出血の量が10から8に減ったところで、医者が「回復してる」と言い、それを真に受けて外を走り回ったらどうなるか。その人は危険な状態になるだろう。

そういうことなのであり、「回復」という言葉を勝手気ままに使っていいということではない。これは些細な問題に思えるかもしれないが、これはとても大事な点なのである。

なぜなら、言葉で政府とつながっているのである。

その言葉が信用できないもの(出血が続いているのに、回復しているなどと誤用をするようなもの)であるなら、国民は政府への信頼を失う。

霞ヶ関文学」などと開き直るのではなく、政府の言葉は「正確に」記さなければ危険な航海になってしまうだろう。

実際には、船に水が入り込み続けているのに、港に引き返さずに「船は回復している」と言って、そのまま航海に出てしまえば、船は沈んでしまう。

そういう危険があるから、言葉の使用は正確にしなければならないし、特に経済報告ではその正確さが重要になるのである。

 

ちなみに、

http://www.stat.go.jp/data/kakei/2013np/gaikyo/pdf/gk01.pdf

を含め参照、個人消費支出の増減対前年比は

2010年:0.3

2011年:-2.2

2012年:1.1

2013年:1.0

2014年:-2.9

2015年:-2.3

2016年:-1.7

 

です。

もはや何が好景気で何が不景気なのかは誰にも分からないだろう。