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本棚考

NHKで本を1万冊集めたという人が紹介されていた。

素晴らしいことだ。

 

しかし、誰もが本を、しっかりと本棚の中に収められているだろうか。

よく、たくさん本を持っているという人がいるが、大抵は本が本棚からはみ出しぐちゃぐちゃに置かれている。

 

当然ながら、理想の本の置き方は図書館である。

もちろん、あれは「見せるための本」であり、実際には閉架がある。つまり、本の倉庫だ。だが、図書館では、閉架でも、ぐちゃぐちゃにおいているということはないだろう。

 

昔は、本がぐちゃぐちゃにおいてあると、「なんかかっこいい」と思っていた。マンガとかでも、そういうキャラは、なんかすげえ頭がいい、みたいな描き方をされている。

しかし、今では単に汚いな、と思うだけになってしまった。「つーか、整理できない無能やん」とか、むしろ評価は下がるようになってしまった。

 

これは大きなパラダイムシフトである。

であるから、改めて本は、どう置かれるべきか、という自分の考えを書いて整理してみたい。

そのニ

本とは、物理的なスペースを必要とするものである。

で、置く場所というのは、普通「自宅」である。

つまり、本は、「自宅を専有する物体」なのである。

自宅とは、物件であるが、その価値は敷地面積がモノを言う。

敷地面積が大きくなれば払う必要のある金は増える。

つまり、「多く本をおきたければ、多く金を払う必要がある」という根源を覚えておく必要がある。

つまり、「自宅の大きさ=あなたが持てる本の限界量」なのである。

まずは、その「冊数限界」を把握する必要がある。

仮にこれを300冊とした場合、300冊以上の本を買うことは「不可能」なのである。

だから、買うためには本を処分する必要がある。そうでなければ、一生新しく追加の本は買わずに過ごすしかない。

 

よく、インテリア本などで、本棚にみっちり本が入っている部屋が出て来る。

こう思う。「新しく買った本はどうするんだろう・・・」

これは前提がある。「本は処分しない」という前提である。

本好きであれば、本は処分などしない。

しかし!

だからこそ、本は溢れていくのである。

しかし、我々はぐちゃぐちゃに本を置くことはもうしないのである。

であれば、本棚とは「空間が開いてるのが普通」という状態にしなければならない。

しかし!

そんなこと出来るのか?

本棚は、本をみっちり置くのが当たり前ではないのか。

であるから、提案がある。

本棚

本棚には、本をみっちり詰める。

しかし、どんな本好きでも、満杯になった本棚に本をそれ以上詰め込むことはできない。物理的に無理だからだ。

そんな時、本好きはどうするかというと、おもむろにそこら辺にぽいと置くのである。

スタアアアアアアアアアアアアアアップ!!

その「ぽい」と置いた本が、徐々に増えていき、しまいには部屋中を占領し、我が国固有の領土がなくなっていくのである。それはまさに穏やかな侵略なのである。国有化などという勇ましい宣言も本の侵略には無意味である。むしろ自ら本を追加しているのである。

我が国固有の領土などという妄想はどうでもいいが、自宅はそうはいかない。大体、ぐちゃぐちゃの本では、本が可哀相である。別に本が可哀想と思わない人には、部屋が汚く見える、と言っておく。

しかし、この解決として、大きな部屋、といっても少しばかり大きな部屋に奮発して移り住んで、もう一つ本棚を買ったり、あるいはなんとか場所を作って本棚を置いても、問題は解決しない。

なぜなら本好きは、空っぽの本棚を毎日見ることなど耐えられないからだ。

朝起きると、そこには空っぽの本棚が鎮座している。

わざわざ高い部屋に移ったのに・・・。

わざわざ部屋のスペースを開けたのに・・・。

そこにはただ空っぽの空間が空いているだけ。

「もったいねえ。」

数ヶ月後・・・。

そこには買い集められた本で満杯になった本棚ちゃんの姿が!

あれだけ苦労したのに! 家賃が上がり、生活費は苦しく、もしくはスペースを必死で用意したのに!

すべてが元通り!

再び一冊でも買ってくれば、「ぽい」と床やものの上に置くしかない。

そして、あっという間に再び本が部屋中の侵略を開始する。

つまり「本棚の追加は無駄」。

ということである。

無論、湯水のようにお金が湧いてくる人には、その方法もいいかも知れない。

「敷地面積? ああ、200平方メートルぐらいになったよ。本棚? 30コぐらいかなあ。図書館とか本屋の業務用のやつね。」

そんな生活が出来るなら、本棚が一杯になるたびに本棚を追加していけるだろう。

しかし、これは「現実的ではない」。

ならば、我々にできる解は何か。

本棚が満杯になったら、一冊買うごとに本を処分する?

そんなマメなことが出来る奴なら、本など溢れない。

大体我々は本を処分したくないのである。

つまり、これは「の運用」ではなく、「本棚の運用」こそが根本なのだ。

つまり、回答は、こうだ。

閉架を用意しよう」

閉架

閉架は本の倉庫である。

倉庫だから、飾らない。

いっぱいにする必要もない。

基本的には読まない。

これは「持っている」という精神的安楽を得るためだけの場所である。

部屋に置くことはない、本棚に入れる必要もない、しかし、処分もしていない。

そういう中間存在である。

しかし、自宅は図書館のシステムとは違う。広大な閉架はない。

ならば、理想のステップは、3つの本棚である。

「使う本棚」

「中間本棚」

「捨てられない本棚」

 

使う本棚は、普通によく使う本棚である。

中間本棚は、これは、満杯になった時点で、可及的速やかに「空っぽ」にする本棚である。その人のスペースと買うペースに合わせて、調整するとよい。

だから、ここは基本空っぽである。

捨てられない本棚は、その名の通りであり、これこそが真の本棚といえるかもしれない。

書くに至った理由

最近引っ越しをしたのだが、その時に本をかなり処分した。

しかし、処分してみると、以外に、どうってことはなかった。

むしろ新しい本との出会いが増えたように感じる。

それは、いつも同じ本を目にしていることで、思考が堂々巡りをしている感覚に陥っていたのが、なくなったという部分が大きいと思う。

 

しかし、私は予感がしている。

このような「システム」をいくら作っても、本はその無限の魅力で、システムなどお構いなしに増殖していくだろうということを。

結局、本が溢れてしまったら、処分する以外に方法はないのだと思う。

確かに捨てたくない。

しかし、捨てないと、(部屋を汚くするわけにはいかないのだから)新しい本は買えないのである。

悩ましい。

しかし、その悩ましさも、本ライフの魅力の一つなのである。